地域と交わる風の人 ふるさとワーホリ体験記

2024.02.26

これまで名護東海岸では、地域やわんさか大浦パークの取り組みに関心を寄せ、多くの若者が滞在しながら関わってきました。そんな一時滞在しながら関わる風の人と地域の交わりをご紹介します。

 

2024年1月末からふるさとワーキングホリデーという制度を利用して1ヶ月、わんさか大浦パークで働きながら生活をしている大学4年生のかりんです。

 

まず、なぜ私がふるさとワーキングホリデー(以下ふるさとワーホリ)に参加したのか。それは

①沖縄での暮らしに興味がある

②1ヶ月の時間が取れる

という理由から、長期滞在するなら今しかないという思いからでした。

 

ふるさとワーホリでは数ある事業者の中から自分で働く場所を決めます。その中で、わんさか大浦パークを選んだ理由は、地域との密着度がどの事業者よりも高いと感じたこと、積極的にエコツーリズムを行うなど自然を大切にしていることが伝わり、私の興味のある分野と重なる部分が多かったからです。

ふるさとワーホリはワーキング+ホリデーということなので、ワーキングの部分とホリデーの部分とに分けて紹介しようと思います。まず、ワーキングの部分ではわんさか大浦パークでの仕事の様子です。勤務時間は10:00〜15:00、仕事内容は、商品の梱包や販売補助などストア部門の細かな作業をメインに行なっていました。仕事が始まる前、どんな仕事をするのか、果たして自分にできるのだろうか、と心配していましたが、丁寧に作業を教えてくれ、気遣ってくれ、さらに例えうまくできなくても決して否定せず、笑い話にしてくれるような温かい人たちに囲まれて、毎回少しずつできることが増えていったなと感じています。

はなぱんちゅん物語の包装

他にも、出荷しにきた農家さんとゆんたくしたり、出荷していただいた野菜をそのまま販売したり加工したりする作業は、食べ物を作る大変さ、それをありがたくおいしいと言って食べられている幸せを身に染みて感じることができました。また、農家さんとの距離はこれまで築いてきた信頼関係の賜物であると感じ、作っていただいた野菜だけにフォーカスするのではなく、作っていただいた人に対しても感謝の気持ちを直接伝えられることは素敵なことであり、大切なことなのではないかと思いました。

カボチャ加工の様子

印象に残ったのは、沖縄に到着して2日目で参加させてもらったじんぶん学校での職員研修でした。やんばるの大自然の中に体をうずめ、自然の恵みをいただいて作る食事や、半日を裸足で過ごした経験は、自然を五感以上の感覚で感じることができた貴重な体験でした。この研修を通して「ありがとう」の気持ちを込める意味、自然と「ありがとう」という気持ちが湧き上がってくる感覚、心のこもった「ありがとう」を知ることができたと思います。

じんぶん学校でのミーティングの様子

次に、ホリデーの部分です。私は、嘉陽地区の仲上門という家で一人暮らしをしながら生活をしていました。これまで、実家暮らしで一人で生活をしたことも、料理をまともにしたこともありませんでした。そのため、何をやるにも時間がかかるし生活するって大変なんだなと感じながらも、生活サポーターの江利川さんや、嘉陽の方たち、職場の方たちなど本当にいろいろな人に助けられて楽しい生活を送れていたと心から思っています。そんな生活の中で、地域のイベントに参加させてもらったのは貴重な体験でした。例えば、旧正月を祝う川拝み。内地で過ごしていると、旧暦で動く習慣がないため、旧暦を意識したこともなかったのですが、沖縄では旧暦を重んじて、旧正月になると地区から外に出た人も戻ってきて、お祝いする習慣は新鮮でした。

仕事が休みで地域のイベント等がない日は、大好きな海や沖縄各地へドライブに連れていってもらったことが印象的でした。私は車の運転が得意な方ではないので、一人ではでき得なかったことだと感じていて感謝の気持ちでいっぱいです。仲上門から海にすぐに行けることや、海にたくさん連れていってもらえたことで改めて海が好きなことが実感でき、つい内地では見かけない貝殻に惹きつけられ、貝殻拾いに夢中になってしまい、一度浜に行くと気づいたら1時間くらい経っていることもしばしばありました。

さらに、仲上門に戻ってからは拾った貝殻で趣味であるアクセサリー作りをする時間も確保することができました。アクセサリーを作ることは元から好きだったのですが、貝殻を材料として作るのは沖縄に来てから始めたことなので新しい趣味が一つ増えたのも嬉しかったです。

生活面では特に多くの人に助けてもらい、どうしてこんなに優しくしてくれるのだろうと思うほど親切にしてくださって、感謝しかありません。集落での暮らしは、朝8時に音楽が流れることが新鮮に感じられたり、車で出勤するときに「いってらっしゃい」、戻ってくると「おかえりなさい」と言ってくれたりする、そんな些細なことでも人の温かみを感じられる生活でした。地域の人と支えあって生活していくということの意味を初めて知ることができたと思っています。

送別会の様子

受け入れていただいた、わんさか大浦パークのあゆみさんからも
受入企業としてのコメントも頂きました。

気候も生活環境も全く違う環境で、本人も不安だったと思うし、受入れる私も、この地域を好きになってもらえるかどうかとても気になっていました。それでもこの地域の人たちが温かく迎えてくれるからとても好き、
自然豊かなこの地域での過ごす時間がとても楽しい、と言ってもらえた事がとても嬉しかったです。
今回は細々とした作業が多くて飽きないかと気になっていましたが、懸命に取り組んで頂き、本当に助かりました。沖縄の移住を考えている人にも是非来て頂きたい気持ちと同時に、ワーホリで繋がったご縁をこれからも大切にしていけたらと思います。

わんさか大浦パーク ストア担当あゆみさんより

 

最後に、わんさか大浦パークで働けた期間は短くとも濃厚な時間になり、嘉陽地区での暮らしは人の温かさを感じられた貴重な時間になりました。沖縄での1ヶ月の生活は忘れることのない記憶となり、今後の人生において間違いなく多くのヒントを与えてくれると思います。ワーホリ終了後は、年に2回ほど訪れながらわんさか大浦パークとの関わりは継続していきたいと思っています。

 

私と少しでも関わってくださった皆様には言葉では言い表しきれないほどの感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。