Su-Me-coffeeのはじまり、はじまり。

2020.03.31

今回ご紹介する「Su-Me-coffee」は2019年11月、わんさか大浦パーク内にオープン。

店主は名護市嘉陽在住の阿野 美波さんと翔大さん。ふたりは夫婦である。そして、ふたりの子どもがいる4人家族。


まずは、Su-Me-coffeeをはじめることになった経緯から尋ねてみた。


「今の場所でお店を持つ前に、お試しで屋台で出店していた時期がありました。それは、長女を出産してちょうど4ヶ月経った頃で、すこし元気が出ない時期でもあって。そんなときに友人たちがわんさかの一画にあるスペースを使って、トルティーヤ屋さんを出店していたんです。その姿を見て、自分もコーヒーで出店してみたい!と言い出したのがはじまり。」


気持ちが言葉となって出てきた途端に、友人たちが開店する前に、美波さんと翔大さんの二人は朝の時間だけを利用してその屋台で出店することに。その次にはお店をやるために必要なものを揃えよう!と具体的に動き出し、購入したのはコーヒー豆と、手動ミル。えっ手動?とつっこみたいところだが、たった一週間の準備期間にものすごい勢いで、あらゆる物事が決まっていたという。


言葉あそびが得意な翔大さんが


「みんな、きっと何やっているんだろう、とすーみーするんじゃない?」と5秒でひらめいて、ひらがな、カタカナ、英語…いろんな方法で書き起こしてみた結果、「Su-Me-coffee」というネーミングが生まれた。


このときからすでにお店のイメージを持っていた美波さんが


「ここは東海岸。朝日がのぼる場所だから。」と描いた太陽の絵は今も使っているロゴデザインとなる。



いざ、はじめてみると、


阿野さん「アイスコーヒーですね!かしこまりました!少々お待ち下さい!」


(あっ手動ミルだった。ゴリゴリ、ゴリゴリ、ゴリゴリ…)


お客さん「手動でやっているの!?」


阿野さん「も、もう少しお待ちください!(ゴリゴリ…)」


「当時は、お店をはじめるまでのスピード感とは裏腹に、一杯に10分かかっていましたね(苦笑)」と当時のことを振り返る二人。そんなときに名護にあるFLAP COFFEEへ行って、Su-Me-coffeeの様子を伝えると、「とりあえず、これを使って!」と手渡されたのは電動ミル。コーヒー豆もその場で試飲させてもらい、コーヒー豆の仕入れも提案してもらったという。


他の誰でもない、FLAP COFFEEのおかげでレベルアップを果たし、Su-Me-coffeeをはじめて二週間がたったころ“常連さん”という存在がいることに気づく。たとえ雨が降っていても。気づけば、毎日誰かがきてくれるお店になっていた。


しかし、期限付きの屋台出店だったので、惜しまれながら約束の日にお店を畳んだ。それでもやっぱり、もう一度Su-Me-coffeeをやりたい。そのために、コーヒーやカフェのことを勉強しようと、美波さんはFLAP COFFEEで修行を積むことに。その間もずっとイメージを膨らませて物件を探していると、わんさか大浦パークがテナントを募集していたのだ。「ここでやろう!」と決めたのは、2019年の夏のこと。


頭の中にあるイメージを形にするために、決めて、やってみる。


ものごとの始め方や進め方を勢いよくできるのは、学生の時からいろんなイベントの企画運営をしてきて、お互いの得意なことや特質をよく理解していたからだという。


その3ヶ月後の2019年11月、たくさんの友人や地域の人に祝福されながら、Su-Me-coffeeはオープンした。


実際にオープンしてみて、どうですか?


「子育てをしながらお店をやるって本当に大変。人生のなかでいちばん大変かもしれない」と素直なコメントをする美波さんは、FLAP COFFEEで修行しながらお店をはじめる、その間に二人目の長男を妊娠、出産。そして二人の子育てをしながら、お店をあけているのだ。「大変だけど、ありがたいことにお客さんがたくさん手伝ってくれるんです。」自分のやりたいことのすべてができているわけではないけれど、いまの精一杯でSu-Me-coffeeを営んでいる。


お店の内装などはほとんどDIYで作り上げた翔大さんも、公民館の仕事やお米づくりをしながら、Su-Me-coffeeと美波さんを支えている。この二人のまわりには、愉快で頼もしい仲間がいて、いつも困ったときには助けてくれる。


注文を受けてから一杯ずつコーヒーを淹れている。(もうすぐ1歳になる長男がいるときにはすこし時間がかかってしまうのは、ご愛嬌ということで。)手づくりのシナモンロールはファンがつくほどの人気商品。時々メニューに並ぶ季節の野菜や果物を使ったスムージーも、すぐに売り切れになってしまう。


そして、なんといっても、Su-Me-coffeeには心地よいナイスセンスな音楽が店内に流れている。飾っているレコードも目を引くものばかりだ。


1日のはじまりに良いコーヒーと良い音楽を。


そんなコンセプトで、Su-Me-coffeeがはじまってもうすぐ半年。この春からは二人の子どもが保育園へ通うので、時間がつくれるようになる分、やりたいことができそうだと話す美波さんと翔大さんの姿に楽しみを感じる。


朝日がのぼる東海岸で、1日のはじまりをSu-Me-coffeeで過ごしてみては?



Su-Me-coffee / スーミーコーヒー

〒905-2267 沖縄県名護市大浦365-7
TEL 0980-55-9358
MAIL sume.okinawa@gmail.com
Instagram https://www.instagram.com/sume.okinawa/

open 7:30〜16:00  close (月)(日)(祝日)

(山田 沙紀)