地域づくりは人づくり「わんさか大浦パークの人材育成」

2022.02.08

ある日、Su-Me-coffeeで開催されたカレーワークショップ後、わんさか大浦パークで働く辛口で個性的なメンバーとやりとりするマネージャーの様子を見て

グリーンカレーのココナッツミルクのようだね

とSu-Me-coffeeの店主
どういう意味か聞いてみると
グリーンカレーペーストの材料には青唐辛子、玉ねぎ、にんにく、しょうが、パクチー、スウィートバジル、クミンパウダー、コリアンダーパウダー、いかの塩辛など刺激が強く個性的な材料が使われます。それをまろやかにまとめているのがココナッツミルクとのこと。なるほどー。

今日は刺激の強い個性的な人々が集う、わんさか大浦パークの人材と育成について

現在働いているスタッフのうち4名が県内出身で8名は県外出身。その時々で状況は変わりますが地元密着の直売所では珍しく県外出身者が多いです。

わんさか大浦パークにたどり着いた経緯は人それぞれで、バックグラウンドもバラバラ。わんさか大浦パークに来て初めて店舗運営や調理、ガイドの仕事をしたという人も多いです。

共通しているのはわんさか大浦パークや地域のことが大好きということ。優しい出荷者さんや地域の方々と関わっていったり、わんさか大浦パークの和気あいあいとした雰囲気と美しい風景の中にいると、いつの間にか働く人自体がこの地域のファンになっていきます。

外から見ると田舎ののどかな環境でのんびり働けるというイメージがあるかもしれませんが、わんさか大浦パークのスタッフは1人何役もバリバリこなし、現場の様子はまるで起業したばかりのベンチャー企業のような様相。少ない人数で次々と新しいことにチャレンジしたり、取り組むべき課題がたくさんあるので仕事は盛りだくさん。入社したばかりのスタッフもすぐに仕事の最前線に立ちます。

わんさか大浦パークの役割について真剣に話し合うことも

情報共有やシフト、日報、ミーティングの記録、タスク管理などはデジタルツールをバリバリ活用し、直接話すだけでは共有しきれない毎日の動きがリアルタイムに共有されていきます。主体性のない人には厳しい環境ですが、アイデアとやる気があれば好きなこと興味があることに思う存分チャレンジできる環境でもあります。

仕事は想像していた以上にハードですが、美しい風景に囲まれているので少し散歩したり海辺やベンチでご飯を食べたり、仕事をしたりしたらすぐにリフレッシュできます。改善できるところがたくさんあって自由にチャレンジさせてくれることが働くモチベーションです。

東京から移り住んで働いているマネージャー川口さん談

わんさか大浦パークは地域の拠点施設なので地域の方々との関わりを大切にしています。直売所で販売される野菜が畑の現場でどのように育てられ農家さんがどんな思いで出荷しているのか、リアルな状況は畑に行って何度も話したり一緒に作業しないとわかりません。

この地域で生まれ育ったり、暮らしているスタッフは日常の暮らしの中で感じる機会は多くありますが、移り住んで地域外から通っているスタッフもいるので現場を知って感じて考える機会も必要。そこで、昨年からスタッフでパイン畑に行ったり、シークヮーサーの収穫をしたり、農家さんの取材をしてウェブで発信する原稿を作成したりという実践的な研修がスタートしました。

スタッフも受け入れる地域の方もイキイキした表情をしていて、もっともっと地域の現場に関われる機会を増やしたいと思っています。

研修をコーディネートしてくれている久志地域観光交流協会の江利川さん談

私はパクチー、私はコリアンダー、私はニンニクかな、、というスパイシーで個性的な集団のココナッツミルクを目指している(?)、わんさか大浦パーク代表の深田さんは組織の展望についてこう語ります。

元々上下関係があまりない職場ですが、将来的にはティール組織というマネージャーが管理をしなくても、目的のために進化を続ける組織、指示系統がなく、メンバー1人1人が自分たちのルールや仕組みを理解して独自に工夫し、意思決定していくような進化した組織形態にしていきたいと考えています。ここに集う人たちの価値観やこの地域でのライフスタイルを基点に考えるとそんなチームのあり方が理想だなと。

あとは、子育てや介護など、暮らし方、働き方が人によって大きく異なる状況があるので多様な人が状況に合わせて活躍できる状況も作っていきたいです。そのためにもわんさか大浦パークは何のためにあるのかという目的や大切にしたい価値観をみんなで探求していくこと、必要な仕組みはしっかり作っていくことなどチャレンジすべきことが多くあります。

わんさか大浦パークでふるさと学習する地元の中学生

これまで地元の高校生や大学生がアルバイトしてくれたこともありましたが、地元の子供達が就職したい職場No.1にもなれたらいいなと思っています。キラキラした大人達が楽しそうに地域のことを考え、様々なことにチャレンジし、成果を出して、どんどん地域が良くなっていく様子を子供達に見せられたらいいなと。そして、1回は進学などで地元を出てもいつか帰ってきてわんさかで修行して起業したいという若者が出てきたら地域の拠点として果たす役割がまた進化していくなと思っています。

地域づくりは人づくり。本業を通して地域で活躍できる人材が育ち、輩出される状況をどれだけつくっていけるか、わんさか大浦パークの挑戦は続きます。