名護東海岸、GW休業中。

2020.04.27

地域の暮らしを守るためにお願いです。
地域の声に耳を傾けましょう。いまは、みんなでやーぐまい。

「地域の日々の営みを続けながら、どのように暮らしといのちを守っていくか」という悩みの最中にいます。それでもたくましく支え合っていけば、きっとその先には「人に会うこと」がほんとうに幸せだと実感する日々があるだろうと希望を抱いて書いた記事です。

今回、お伝えするのは4つです。
1.【嘉陽区・瀬嵩区】ビーチへの来訪者の立ち入りはご遠慮ください
2. 共同売店は地域の暮らしを支え、維持するために大切な場所
3. わんさか大浦パークは営業時間が変わります!
4. 地域の農家さんが育てた農産物や加工品などをおうちへお届けします!

友人たちが立ち上げてくれたやーぐまいプロジェクトに共感して、わたしたちも意思表示したいと思い動かされました。名護東海岸は過疎化や高齢化による地域課題を抱え、人口の半数以上がおじいおばあたち。コロナウイルスにかかると重症になってしまう大きなリスクがあります。

いまは幸いにも地域から感染者が出ていないので、おじいおばあたちは安心できる場所として生活を続けられています。この状況を維持するためにも、どうか『地域以外から、名護東海岸への来訪を控えてほしい』のです。普段であれば、ここにある自然の豊かさに触れたいと、週末には多くの人びとが訪れる地域です。日々暮らしているおじいおばあも、ここには素晴らしい自然が残っているんだよと散歩をしながら教えてくれる眼差しには、先祖代々で大切に守ってきたものがあると感じます。

一人でも感染者が出てしまえば、大変なことになってしまう。そんな危機と隣り合わせであることは間違いありません。だから、集落ごとに話し合ったりして、止むを得ずビーチの閉鎖やお店の休業などの動きが起こり始めています。

1. 【嘉陽区・瀬嵩区】ビーチへの来訪者の立ち入りはご遠慮ください

これは嘉陽ビーチの入り口。こんなふうにロープやお願いの貼り紙があります。英語でも書かれています。そこにはメッセージも添えられていました。

「嘉陽区民の命と安心安全な暮らしを守るため、また一日でも早い社会の回復のためにも皆様のご理解が大切です。ご協力の程宜しくお願い致します。」

(嘉陽区)

瀬嵩でも同様に

「お願い!新型コロナウイルス感染拡大防止のため来訪者の立ち入りご遠慮ください!」

(瀬嵩区長)

もしかしたら、今後、嘉陽・瀬嵩区以外にも同じような対策をする区が増えるかもしれません。いつもなら朝日を見たり、貝を拾ったり。キャンプをするにもとても心地の良い場所。いちばんにおすすめしたい、でも、いまはみんなで我慢しましょう。

2. 共同売店は地域の暮らしを支え、維持するために大切な場所

共同売店とは、小さな集落で生活をするために、互いに支え合う相互扶助の考えをもった共同体であり、住民同士が資金を出し合ってみんなで運営するお店のこと。

(引用:愛と希望の共同売店プロジェクト

普通のスーパーやコンビニでは経営が成り立たない地域に共同売店はあって、共同売店が集落の暮らしを支えています。車で運転できないおじいおばあも、休校や休園のために子どもがいる家族も、歩いていける範囲にある共同売店が果たす役割って大きいと思います。だから、もし外から訪れる人が共同売店を利用するときには、細心の注意を払う必要があるのではないでしょうか?

ちなみに、大浦区共同売店では「GW期間中は休業する」という判断したようです。これもきっと区民を守るためにとった行動だと思います。

3. わんさか大浦パークは営業時間が変わります!

わんさか大浦パークとは、10の集落が資金を出し合い、地域のゆたかな暮らしと活気づくりのために運営している海辺の直売所。宜野座ICから北上して二見トンネルを越えると、大きな赤瓦の建物があります。

畑では野菜が日々すくすくと育ち、待ってはくれません。農家さんにとって売り先がなくなってしまうのは、とても大変なことです。地産地消の循環を止めないためにも、わんさか大浦パークでは衛生管理しながら営業を続ける方法を模索しています。


5月5日6日の2日間限定でお弁当やお惣菜のテイクアウト・デリバリーサービスを開始することになりました。

街へ出るのは大変だけど、毎食作るのも大変…という地域からの声もあり!

デリバリーは地域内のみとなりますが、テイクアウトは地域外の方もご利用いただけます。気になる方はわんさか大浦パークのFBにてご確認ください。

4. 地域の農家さんが育てた農産物や加工品などをおうちへお届けします!

名護東海岸からの贈り物のイメージ写真です

「わんさかは地域のインフラとしての機能も持っているから簡単にお店を閉じることはできない。でも、農家さんの育てたものを無駄にはしたくない。だから、まずはやってみようと思ったんです」

と動き出したのは、大浦区在住の服部あや乃さん。個人のFacebookで呼びかけてみたら、もうすでに多くの反響がありました。

いつまでこの状況が続くか分からないし、自分もどこまでできるか分からない。でも、まずはできる範囲でやってみようと踏み出した一歩はとても前向きです。仕組みづくりもままならない状態なので、時間も手間もかかるけれど、個別にやりとりして名護東海岸のものをお届けしています。

いまは名護東海岸に行くことができないから、送ってほしい!買いたい!という方がいらっしゃいましたら、服部あや乃さんの【Facebookの投稿にコメント】か【メッセンジャー】にてお問い合わせください!(※くわしくはこちら

地域のことを地域で助け合っていけばできることがたくさんあると思っています。まずは、一人ひとりが健康管理をすること。外からの移入のリスクを防ぐこと。そして、地域での生活を安心して送ることができる状況を維持すること。そうすることで、おじいおばあは気兼ねなく集落を散歩したり、畑したり、ゆんたくしたりできる。健やかな暮らしを守っていく努力を続けることで、大変な状況下にある医療機関にこれ以上プレッシャーをかけないということにもつながると考えています。

先日、嘉陽区の婦人会ではマスクをつくりました。(もちろん、ソーシャルディスタンスを計り、換気をしながら)生地や道具を持ち寄って、あっという間に区民全員分のマスクができあがりました。すごい。

大浦区でも子ども会のお母さま方が老人会や子どもたちのためにとマスクを作成!国からのマスクはまだ時間がかかりそうなので、各区で自主的に取り組みが行われています。


この先どうなるのかわからないという不安はありますが、それでも何かできることがあるのではないかとそれぞれが動き出しています。それはこの危機を乗り越えるためでもあり、これからの時代を生き抜くための備えにもなるはず。

思いのままに会いたい人と会ったり、おいしい食事をするために出かけたりすることができないけれど、今、目の前にある時間は「自然と生活の関わりかた」を見直すきっかけにもなるんじゃないかとも思っています。

ゴールデンウィークを迎える前に、どうしてもお伝えしたくてこの記事を書きました。地域の声に耳を傾けましょう。みなさまもどうぞ健やかにお過ごしください。

山田沙紀