最近話題のバタフライピーとは?~農作物の新たな価値づくりと出荷者さんとの関係~

2021.11.26

「青いスイーツ」や「色が変わるドリンク」だなんて商品広告を、最近よく目にしませんか。

その青色の正体がこの花、「バタフライピー」です。
わんさか大浦パーク(以下、わんさか)の直売所でも、最近出荷量が増えてきています。



今回は、わんさかにバタフライピーを出荷している、安仁屋末子さんの畑を取材してきました。
週に2,3回来てくださる常連農家さんの一人です。


謎に包まれているバタフライピーと共に、出荷者さんにとってのわんさかについてお届けします。

ハーブティー界の新星「バタフライピー」



ここ2,3年で急速に注目を浴びたバタフライピーは、「ハーブティー界の新星」とも言われています。
バタフライピーは日本語では「チョウマメ(表記:蝶豆)」といいます。

マメ科ツル性のハーブの一種で、原産国はタイ。
タイでは年間通してキレイな青色の花を咲かせる多年草です。

しかし寒さに弱いため、気候の違う日本では夏が開花のピークで、1年草として扱われます。(沖縄はちょっと長めで秋まで)
わんさかの店頭には、7~11月頭まで並んでいました。




どうやって使うの?とお客様によく質問をいただきます。



一般的なのは、 生花でも乾燥でも煮出してお茶で楽しむ方法です。
無味無臭のため、レモングラスとブレンドして飲んでいただくのがおすすめ。


また、スイーツの色付けには、煮出した青色の液体を使います。
変わった使い方としてはお米と一緒に炊いて、青いご飯もできてしまいます。


このように、鮮やかな青色が「SNS映え」すると大人気ですが、理由はそれだけではなく、青い花には「アントシアニン」含まれ、アンチエイジング効果を期待できると言われています。


色の変化も楽しめるのがバタフライピーの特徴。


お茶や液に、クエン酸(レモン汁、シークヮーサー、ライム、梅干しetc…)を入れると、なんと赤紫色に変わるのです。

これは、バタフライピーに含まれるアントシアニンがアルカリ性で、酸性であるクエン酸と混ぜることによって化学反応を起こし色が変化するようです。
クエン酸の量を調整すると、味はもちろん濃い紫から薄い紫まで調整が可能。
「天然のリトマス紙」とも呼ばれ、自由研究にする小中学生もいるそうです。



老後の時間を使って畑を始めた。出荷は基本的にわんさか。

名護東海岸「久志地域」の三原地区に住んでいる安仁屋さん。
59歳で退職し、親御さんの介護をしながら、老後の時間を使って畑を始めたそうです。


今回お邪魔したときは、ちょうどバタフライピーの時期が終わりに近づいてる頃でした。

バタフライピーはどのように生えているのでしょうか。
高さ30cmくらいに花をつけているのを想像していましたが、実際に畑に行くと、カーテンのように連なっていました。


花は、アサガオのように朝に咲きます。
咲いてるのを見つけたらすぐ収穫しないと翌日にはしぼんでしまうそう。


収穫したバタフライピーをせっせと袋に入れ、お父さん手製の車庫に向かいます。



ここはうちの出荷場。道具も袋も全部ある。目の前の川にはウナギが登ってくるから、よくエサあげてるの。釣り人が来たら釣られちゃわないかドキドキしちゃう。

と、茶目っ気たっぷりに安仁屋さんは話します。

小さい時からここに住んでいるお家と畑は、山々に囲まれ、近くに川が流れています。
川には魚やウナギが登ってくるので、エサをあげて家族のように親しんでいるそう。

雑多な音が全く聞こえない、自然一色のこの環境が大好きとのことです。




台所でちょっとネギが欲しいなって思ったら、畑に取りに行くの。畑は冷蔵庫のようなものよ。 基本的に出荷はわんさか。

たーーーくさん採れたらファーマーズに持ってくけど、ほとんどわんさか。





そんな安仁屋さんは、わんさかに野菜を出荷して5年になります。


ネギ、島らっきょう、ブロッコリー、カリフラワー、ロマネスコ、キャベツ、チシャ菜、アスパラ菜、春菊、シークヮーサー、ローゼル、じゃがいもなど、年間通して様々な農作物を育てています。


スマートフォンを器用に使いこなす安仁屋さん。
ロマネスコ…?となった私に、すぐに画像を検索して、見せてくれました。


安仁屋さんのように、老後に畑をはじめ、わんさかに出荷してくださる方はたくさんいます。
中には、スタッフとのゆんたくや、他の出荷者さんとの情報交換が楽しみで来てる方もいらっしゃいます。


出荷者さんとスタッフの距離がとても近いこと、憩いの場なのが、わんさかの魅力です。




地域で育つモノ×わんさかの商品開発・集客力=新たな価値

今秋頭に、わんさか店頭に並び始めた、一段と目を引く真っ青なタルト。
バタフライピーを使った、わんさかオリジナル商品です。 

バタフライピーは生花のままだと日持ちしないため、わんさかでは乾燥させて冷凍保管しています。
冷凍バタフライピーを煮だしてできた青い液を、ホワイトチョコレートとミックス。

タルトの底にはミックスベリーが敷かれていて、 青い見た目と裏腹に、ホワイトチョコの甘さとベリーと甘酸っぱさが楽しめます。

上には、グラニュー糖と絡めて作った青い粉と、お花を散らして完成です。



タルト型まで1つ1つ手作り、手間のかかった一品です。








このように、わんさかは直売所に売れ残ったものや売り先に困っている青果を買い取って、積極的に自社商品に活用しています。

パーラーで販売している、スムージー類もそう。



地域で育つモノと、わんさかの商品開発、集客力を掛け合わせて新たな価値を絶え間なく生み出していきたい。


すべての農作物に対してできるわけではありません。
可能性を見出して、新たな価値と共にお客様に提供することで、農家さんが思いを込めてつくった作物がさらに光り輝くのです。


生きがいや働きがい、そして経済循環を生む、
この流れをつくることがわんさかの役割です。

これからも出荷者の皆さま、地域と共に、わんさかは歩んで行きます。



タルトは、パーラーにて販売しています、是非ご賞味ください♪

新商品や最新情報は↓SNSより

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