愛情たっぷり島バナナ

2022.02.18

日本で最も食べられている果物といえばバナナ。
国内で出回っているものはほとんどがフィリピン産ですが
バナナにはたくさんの種類がある事を知っていますか?

わんさか大浦パークの直売所に並ぶ「島バナナ」は沖縄で古くから栽培されている品種で、最近は「銀バナナ」「アップルバナナ」も人気。
生産量が少なく取り扱いが難しいこともあり、スーパーなどの量販店ではほとんど販売されていません。

全国的にバナナ人気が上昇する中、バナナ専門のジュース店を覗いてみると、同じドリンクでも輸入バナナを使用したものよりも島バナナを使用した商品の方が倍近く高い。
古くから沖縄の人達に愛される島バナナは、風味豊かで希少なため比較的高い値段で取り引きされるのです。

愛情込めて育てられた島バナナを持つ安仁屋さん

「畑でバナナや野菜たちの面倒を見るのが好き。
苗から植えて、手間暇かけてできた実は、お友達のような存在だよ」

沖縄県名護市大川。
安仁屋 浩三(あにや ひろみ)さんは古くからバナナ栽培が行われてきたと言われるこの村で生まれ育ちました。大学進学を機に福岡へ。大学卒業後は沖縄に戻り名護市役所に勤務。10年ほど前に定年退職し、実家にあった畑を耕して趣味で野菜や果物を育てるようになりました。

2200㎡の畑で、島バナナの他にもたくさんの野菜や果物を育てる安仁屋さん。
ブルーベリー、コーヒー豆、ドラゴンフルーツに大根、じゃがいも、レモン…たくさんあってとても書ききれません。

畑はあくまで趣味なので、出荷するのは島バナナとレモンくらいなのだとか。
「育てたものはほとんど、お友達にプレゼントするんだよ。みんな喜んでくれるからね」と嬉しそうに話す安仁屋さんの笑顔から、温かい人柄が伝わってきます。


3年かけて立派に育ってきた島バナナ
数年かけて育っても1回だけなる実を収穫したら株ごと倒します。

「3年前の台風では島バナナの木が全て倒れてしまってね。あれは参ったなぁ。
根っこは大丈夫だからバナナの木はまた生えてくるけど。
実がなるのに3年かかったよ。ようやく今年は出荷できそうだ。」

島バナナの天敵は主に3つ。
イノシシなどの動物、強風、そして害虫。

バナナの木と表現していますが、厳密には木ではなく草に近い。そのため強風で倒れてしまう事も。

2018年9月に沖縄を直撃した台風24号は、台風に順応した沖縄でさえも、大規模な停電や建物が壊れるほどの被害を与えました。

その台風の影響で、安仁屋さんが育てる島バナナも全て倒れてしまい、あれから3年もの間、島バナナの出荷ができなくなってしまったのです。

そして天敵は強風だけではありません。イノシシ対策のために柵を作ったり、害虫であるバナナゾウムシの駆除のために薬を撒いたりしなければなりません。

安仁屋さんはバナナゾウムシ駆除の薬は二千倍と必要最小限にまで薄めて使用し、あとの農薬は一切使わないそうです。

「僕は農薬を使用した食べ物が嫌いなんだ。自分が嫌いなことをして、人に食べさせるのはおかしいさ。」


そんな安仁屋さんの想いがこもった島バナナ。

わんさか大浦パークでは、出荷者さんの想いを大切にし、島バナナパイなど、様々なアレンジレシピを考え商品にしています。
写真のバナナサンドは、安仁屋さんから頂いた島バナナを使用して作りました。
半分にカットした島バナナがそのまま入っているため、食べ応えがあると人気の商品。

ちまたでは1000円近くで販売される島バナナスムージーも、わんさか大浦パークでは半分くらいの値段で購入できるのも直売所の良いところ。

出荷者さんの顔が直接見れる私達だから、出荷者さんの想いを直接聞ける私達だからこそ、その想いを大切にし、背景を伝えながら皆様に提供していきたいと思います。
わんさか大浦パークでバナナを見かけたら、収穫までの月日と農家さんの愛情を少しでも感じてもらえたら嬉しいです。