大浦の暮らしと私。

2022.02.24

名護市東海岸地域に位置する集落、大浦。
大浦湾が一望できるこの集落には、豊かな自然の中で心温かい人たちが暮らしています。
40代女性のasukaさん(仮名)が大浦に移住したのは10年ほど前、出産を控えた頃のこと。

沖縄県南風原町で生まれ育ったasukaさん。両親や友人の反対を押し切って大浦に引っ越してきた初日の夜、その光景に驚きました。話には聞いていたけれど、スーパーやコンビニ、病院も近くにない。おまけに夜は街灯もなく真っ暗…なのにたくさんの民家が広がり、たくさんの人たちが暮らしているからです。

休日に過ごす、家族との時間。
マングローブビュー

実際に住んでみると、全然不便はしないですね。むしろ地域の皆が子育てを応援してくれて、
同じ子育て世代の家族同士で協力しあえるからとても暮らしやすいと思っています。

沖縄生まれ沖縄育ちでありながら、大浦に移住する前まで沖縄の文化に触れる機会がなかったというasukaさん。年間行事を大切にする大浦で、様々な沖縄の伝統文化に触れながら人脈も広がり、生活がより一層楽しくなりました。
何よりうれしかったのは、集落に住む人たち同士「みんなが知り合い」のような仲であるということ。
「お互いに近況がよく分かっていることに抵抗はないのですか?」という質問に、asukaさんは明るく答えました。

隣にどんな人が住んでいるのか、地域にどんな人がいるのか、分からないほうがよほど怖いと思うんです。

地域のフラチームにも所属。
依頼を受けてイベントで披露することも。
地域の人たちと趣味を楽しむのも、
asukaさんにとって大切な時間。

子育てがあるからこそ子供の為を思うからこそ、私は大浦にいるべきだと確信しました。
私にとっても、居心地のいい場所なんです。

5年前、asukaさんに転機が訪れます。
当時は地元に帰ってきなさいと言われることもありました。
実家に戻れば助けてくれる両親もいる、昔ながらの友人もいる。
実家に戻るか大浦に住み続けるのか…。

我が子にとっても私にとっても、どうすればいいのかを考えたとき、大浦を離れたくないと思ったそうです。
何かと気にかけてくれて、手助けをしてくれるこの地域で子育てをしていこうと決めました。


伝統文化の行事に参加するasukaさん。

一見何もないようにも見える大浦には、たくさんの宝物があります。
遠くまで見渡せる大浦湾と人々の心を癒す大浦川、そこに息づくマングローブ林。
そして互いを思いやる優しい心、地域の発展を願い協力し合える地域愛。

人との心の距離が近く、年間行事で集まる機会の多い大浦。

「学校、家庭、地域は一つ屋根の大家族」
そんな暮らしを心から楽しめる人、地域の人を大切にできる人に、大浦に移住してほしいです。

大浦の穏やかな川の流れを眺めながら、asukaさんは語ります。