朝日のそばで育つ、地域の子ども達。

2022.02.22

このWEBマガジンのタイトルは「朝日のそばで育つもの」。
沖縄県名護市東海岸の「久志地域」は、太平洋側に面した朝日が昇る地域です。
そんな地域で育つ、農作物や商品、自然や文化についてご紹介してきましたが、
今回の記事では、この地域で育つ「子ども達」を取り上げます。

名護市立小中一貫教育校 緑風学園

久志地域には2つの小中学校がありますが、
わんさか大浦パークのある校区には、緑風学園という公立の小中一貫校があります。

そこに通っている久志地域・大浦区在住の小学生に話を伺いました。


緑風学園は平成24年に4つの小中学校が統合し開校、
校区が広いため、スクールバスでの通学を導入しています。

そのため朝の登校は、地域ごとにバス停に集合してバスに乗り込みます。

朝、スクールバスに乗車する様子

バス通学ってどう?

友達と乗れるから楽しいよ。ちょっとドライブみたいな。
たまに座れないと悲しい時もあるけどね。

学校の楽しいところ、好きなところは?

休み時間が好き!お友達みんなと話せるから。
好きな場所はベランダ。太陽が当たって気持ちいいから!
ベランダから海も見えて良い場所!
学校行事で一番楽しいのは緑風フェスタ!
ゲームできたり、フラとかチアとか踊れるから。

緑風フェスタでのチアダンスの様子

昼間学校で過ごした後、またバスに乗って下校します。

学校から帰ってきたらどうしてるの?

公民館に行く!公民館は勉強する場所かな。
あとはお菓子もらえるところ!
区長さんも書記さんもおもしろいよ。
書記さんが勉強教えてくれるしね!

地域の子ども達にとって公民館は居場所のひとつ。
部活を終えて中学生が返ってきた夕方以降は、
公民館で地域の方から勉強を教えてもらったり、
県内学生によるオンライン授業を受けたり。
まさに公民館塾が開催されています。

公民館で実施されているオンライン塾の様子。

休みの日は地域で遊んでる?

遊ぶよ!沈下橋まで散歩したり、夏は大浦川で泳いだりカヤック乗ったり、

自転車のりまわしてる。
ビーチをゴミ拾いもするし、友達と鬼ごっことかかくれんぼしたり。
いーっつも地域で遊んでいるよ。

自分が住んでいるところのここが自慢、ここが好き!というところは?

マングローブが大浦だけにあるのが自慢だよ!
あとは売店が好き!好きなお菓子とかアイスが売ってるから。

売店横の憩いの場で、2月でもアイスを食べる子ども達。
遊んでると暑いとのことです。

売店横のスペースでみんなでアイスを食べている様子


朝日のそばで育った、もう一人の方にお話を聞きました。
大浦区で学生時代を過ごし、現在は久志支所(名護市役所の出張所)で働く比嘉来夢さん(21歳)。

外(地域外)に出て思ったのは、この地域で育ったのは恵まれてるな、ということ。
小さい学校だったら、先生たちとの距離も同級生との距離も近かったんです。
一緒の人は保育園から中学までずーっと一緒だったから。
親同士も仲いいからね、安心できるし帰ってこれる場所があるって気持ちがあるんだと思います。

逆に大きい学校がよかったな~とか思ったことはなかったんですか?

大きい学校への憧れも、もちろんありました。
クラス替えとかね、やってみたい!みたいな。
けどやっぱり同級生同士のつながりがこんなに強いのは小さい規模だったからだと思ってます。
今でも仲良くて、みんな集まりたい!て気持ちが強いですもん。

小さい地域で、こういう深い関係性はやっぱり大事だと思う。
県外に行った子も結局帰ってくる子が多いし、やっぱりみんな地元が好きなんだと感じます。

2018年にわんさか大浦パークでのアルバイトで、カヤックガイドをする比嘉来夢さん(中央緑のカヤック)
「カヤックガイドのバイトがしたい!」と思ったのは、緑風学園でカヤック体験をしたことがきっかけとのことです。


こういう深い関係性は、学校がずっと一緒だったほかになにか理由はありますか?

例えば公民館の存在も大きいと思う。
公民館は行事でつかう、みんなが集まるところってイメージだけど、
普段行っても誰かはいて。
自分が中学生の時は地域のねーねが勉強教えてくれて。
私にとっては塾でした。土日も朝からみんなで勉強してましたよ。
みんなでそういうことができる場所が公民館。
小さい頃「公民館いくよ!」と言われると「わーい!行く行く!」と言ってましたね。そういう場所です。

公民館で作業の後に世代を越えてみんなでごはんを食べる様子(大浦区)

地元で働いていると、同級生の親や知ってる人が多くて、ここで働くことを喜んでくれる人もいるんです。
ここに住んでる人たちは、この地域が好きな人たち。
困ってる人がいたら、どうしたら助けられるかな、て考えられる素敵な人達が多いんです。

自分には何ができるかな、と思って、外に出た同級生に「大丈夫?元気にしてる?」とよく連絡とってます。
出ていった人のことも、みんな気にかけてるので。
あとは大浦区の青年会にも入れてもらってます。
オンライン飲み会したり、LINEグループで繋がってたり。
ひとりにしない、大事にしている、と感じます。
そういうところ、久志地域って本当にすごいなあと思っています。


そんな話をしていたら、たまたま大浦区の書記・大城光長さんが。

おー!来夢!今度の日曜は品評会だよ、昼はカレーだからね。
公民館来てよね!作る方だよ、よろしく!

「うぷら」とは、大浦の方言名とのこと。
大浦区オリジナルTシャツを見ながら、これマングローブだよね!と話をしている仲の良いお二人。

地域の好きなところは、ゆっくりできるところ。
気詰まったらこの海沿いを散歩できるし、夜は星がきれい。
中学校の時は家族でよく夜星を見に散歩してました。
海も近くて遊べるし。お金使わないで楽しめるんですよ!
お菓子とかは売店行けばあるし。それで十分!
親戚もみんな大浦行きたい!って言ってくれるんですよ。

区民で作業をして大事にしている花壇。
大浦区は「名護市花いっぱい花壇コンクール」にて優秀賞を受賞しました。


あなたは、自分の住む地域のこと、どこまで語れるでしょうか。
このWEBマガジン「朝日のそばで育つもの」に登場する「ひと」たちは、みなさん地域について語れる方々です。
今回の記事でお伝えしたのは、地域の子ども達の様子のほんの一部。
このようなエピソードの積み重ねが、地域の暮らしとなっています。
地域出身の方のお話しを伺ったので、今後は移住者の視点からの地域の様子もお伝えしたいと思います。