伝統行事がすごい。名護東海岸「久志地域」の魅力。【前編】
2022.02.18
活気のある地域、元気な地域と言えば、どんな地域でしょうか?
様々なイメージがあると思いますが、今回は沖縄県名護市東海岸「久志地域」の魅力の一つである、伝統行事を取り上げます。
伝統行事は地域の暮らしや自然環境と密接で、伝統行事を見るとその地域の暮らしが見えてきます。
久志地域の伝統行事、何がすごい?
久志地域には、久志区・豊原区・辺野古区・二見区・大川区・大浦区・瀬嵩区・三原区・安部区・嘉陽区・底仁屋区・天仁屋区の13の集落があります。
それぞれの区(集落)で違う行事、違う伝統的な曲や踊りがある、多様性が豊かな地域です。
その中でも今回は、久志地域に移住した筆者(茨城出身)から見た久志地域の「伝統行事がすごい!」をお伝えします。
伝統行事がすごい!①練習量がすごい
“豊年祭(ほうねんさい)”という五穀豊穣に感謝し、地域の人々の健康を祈願する行事があります。
この行事では、各集落によって形式は変わりますが、
道ジュネ―と言われる地域内の練り歩き、
エイサーや獅子舞踊りなどを含めた20演目近い伝統的な踊りが披露されます。
沖縄の踊りと言えば「エイサー」のイメージがありますが、たくさんある伝統的な踊りの中の1つなのです。
豊年祭は旧暦の送り盆(方言でウークイ)の次の日に行われます。
旧暦に合わせて日程が決めらるので、久志地域では平日でも開催されます。
そして日程が決まると、今回の演目と演者を決定する会議が行われ、すぐに練習がスタートします。
その練習は1ヶ月間、ほとんど毎晩行われます。
「え、もっとはやくから練習やらないの?」と思いませんか?
なぜ1ヶ月前から急にやるかというと、
その前にもいくつも行事があるからです。
正に短期集中型。すごい。
毎晩の練習のイメージをお伝えすると、
仕事を19時に終え、20時からは地域の公民館で練習。
練習が終わるのは毎回ほぼ22時。
「そんなの大変すぎる…」そう思われる方もいるかもしれませんが、
練習中に食べ物や飲み物の差し入れがあったり、
夜遅いのに80代のおばあが練習していたり、
おばあ達から厳しい指導が入ったり。
この練習の熱心さから、豊年祭が地域の人にとってとても大切な行事ということが良く分かります。
そうした練習にへこたれずに参加し続けていると、
いつの間にか皆さんから顔も覚えてもらい、
名前で呼ばれるようになっていました。
こうして地域の人と人との関係がつくれられていくのだなあと感じます。
伝統行事がすごい!②長さがすごい
いつ始まっていつ終わるのかが分からないくらい、長いです。
朝から夜まで。そして年間で一番大きな行事の豊年祭は3日がかりでした。
豊年祭前日である送り盆(ウークイ)の日は青年たちが1軒1軒各家を巡り、
「エイサー」という踊りでご先祖様の供養を行います。
最後のお家が終わる頃には日付が越えることも。
その他にも前日には「明日豊年祭を行います」と神様へお伝えする御願(うがん、祈祷と同意)も行われます。
翌日の豊年祭当日は、朝から会場の準備が行われ、午後には踊り手の方々の着付けが始まり、
涼しくなってくる時間帯には集落の拝所やがじゅまるの前で踊り、
道ジュネーという練り歩きがあり、ようやく公民館で演目が始まります。
そこから20演目が始まりますので、この日も片づけを含め、終わる頃には日付を越えそうになります。
そして婦人会は豊年祭で着付けた着物や足袋を洗います。
翌日朝にはこれらの洗濯干し、夕方には取り込んで、来年に向けて数を数えながら片付けます。
ここまであわせると約3日。とても長いです。
長さでいうと、忘年会も長いです。
例えば筆者の住む集落では、
朝集合し、ゴミ拾いや地域清掃をし、一旦解散。
昼後に再集合し、グランドゴルフ大会(80代のおばあがホールインワンを決める)が行われ、その後片付けをしながら夜の会の準備。
そして夕方から宴会が始まります。
食事や区長さんが用意して下さった一年をふりかえる行事のスライド、ビンゴ大会、最後にはカラオケ大会が始まります。
最後まで参加していると日付を越えます。行事が長いです。
伝統行事がすごい!③数がすごく多い
集落によって様々ですが、筆者の住む集落はほぼ毎月何かしらの行事・地域の集まりがあります。
久志地域の行事で、筆者の独断で思いついたものをざっと書き出してみます。
ざっと書き出しただけで、とっても長くなってしまったので、
【後編】へつづきます。