わんさか大浦パークのお話し

2020.05.28


みなさんは、その“地域”の特色を作るものって、なんだと思いますか??
環境?文化?食べ物?自然??

もちろん、様々な要素が絡み合って作り上げられていくのだと思いますが、一番大きな特色は、そこに暮らす “人” だと、私は思っています。

このWEBマガジンも、名護東海岸に暮らす “人” をご紹介することで、この地域の色を感じていただけたらなぁ、と思っているのですが、

今日は、この地域の拠点施設である『わんさか大浦パーク』のお話を。

この施設の成り立ちは、まさにここで暮らす人たちの地域への思いが作り出したものだから。


目の前に広がる大浦湾


『わんさか大浦パーク』とは、名護東海岸にある10の集落が資金を出し合い、地域のゆたかな暮らしと活気づくりのために運営している海辺の直売所。

ここができたきかっけは、遡ること約15年。

わんさかを拠点とする二見以北10区(10の集落)は、高齢化が進み人口もどんどん減っていってしまっている、いわゆる過疎地域。

このままでは、

“自分たちの地域は衰退する、なんとかしなければ!”

という思いと、

“各区だけでやるよりも、10区でまとまった方が良いのでは!?”

と、立ち上がったのが二見以北地域振興会(10区の集まり)です。

この地域は昔から、小規模大規模様々ではありますが、農家さんが多い地域。

しかし高齢化も進む中で、この先のことを考えると街中への出荷も難しくなっていきます。

区によっては、すでに独自で朝市などの取り組みをしているところもあったそう。


であれば、

“自分たちの地域に “直売所” があったらいいんじゃないか?“

“高齢農家さんも助かるし、人が集まれる場にもなる!“

と、区民に話をし、協力者を募り、各区からの出資と行政の力も借りながら、ここに暮らす “人” の “想い”  で作り上げたのがこの『わんさか大浦パーク』です。


屋根のシーサーの足元には10区の名前が入っています。


もちろん、新しい施設を作るとなると、反対もあればいろんな意見もあり、一筋縄ではいかなかったようですが。


2011年3月のグランドオープン後も問題は山積み。

こういった施設の経営の経験もなければ、何から始めたらいいかもわからない、全てが手探り状態。


朝野菜収穫して持って来たら、全部手書きで値札書いて、手計算して、お客さんに売って、夜中まで集計して、お金合わなかったりもしたしね〜、

すごい大変だったけど、みーんなが協力しあって楽しかったさ〜!

と思い出話をしてくれる、お母さん農家さんもいたり。



地域の方とお話をしていると、

“私、前わんさかで働いてたんだよ!”という人も多く、

本当にたくさんの方がいろんな関わり方をされていて、作り上げて来た施設なんだな〜と実感します。


そんな『わんさか大浦パーク』も今年の3月で9周年を迎えました。

当時立ち上げに関わったスタッフは一人しか残っていないけれど、変わらないことは “地域の拠点施設” であることを軸に、その時々のスタッフたちが悩みながらも日々健闘をしていること。


そして『わんさか大浦パーク』があることで、移り住んだスタッフも増えるなど、新しい風が!



ここに流木をくっつけて大きなアーチにしたい、自然の雰囲気を出したい!で、七夕とかクリスマスとか季節に合わせた飾りをつけて…


どうしたらお客さんが見やすくなるかな?

とレイアウトやPOPを変更。

自分たちも見やすく、お洒落な感じがいいよね〜、と飾りをつけたり。

ドライフラワーのブーケは、母の日や誕生日のプレゼントに、と地域の方々に喜ばれています。


こんなのあったらいいんじゃない?

と今までにはなかったようなものが買えるようになったり。




ここ全部芝生にしたい!道路側にハイビスカスもあるし、ヤシの木と芝で南国感出して…


他にも、

“子どもが遊べるスペース作りたい”

“ウッドデッキあったらいいな”

“美味しいパーラー商品を増やしたい”

などなど、やりたいことはたくさん!



わんさかのいいところを聞いてみると、

“海がキレイ”や“ゆったりしている”、

“お客さんや農家さんとの距離が近い”、

“出荷者さんが優しい”、

“野菜が美味しい”など、もちろん出てくるのだけれど、

まだまだ、もっとこうしたい、こうだったらいいのに!

の方がたくさん出て来て、これからの変化の可能性を感じました。

最後に、現在の管理責任者である深田さんにお話しを伺いました。


『わんさか大浦パーク』はこの地域の未来を作っていくのに、必要な場所だと思うんです。

ここに住む人たちの暮らしを起点に地域内経済を再構築するための拠点。

問題も葛藤もいろいろあるけれど、ここには地域の人たちの想いがつまっている。

ここで働くスタッフも地元もいれば、移住者もいて、多様な人が集まっていてすごく面白い。

多様性があるからこそできることもある。

ここの地域らしさを大切に、来ていただくお客様に喜んでもらえているか?や地域の人の50年後の暮らしにつながっているか?を意識しながら、一生懸命やっていくことが大事。

わんさかに関わる1人1人が幸せに、笑顔と活力がわんさか溢れる地域の拠点施設にしていけたらいいな、と思います。


いろんな人の想いが集まってできた『わんさか大浦パーク』

今もその想いは引き継がれ、関わる人によって変化をしながら進んでいます。

やんばるにいらっしゃる際は、ぜひお立ち寄りいただけると嬉しいです。

少しでもこの地域を感じていただけることができたら…。

大浦マングローブ林の記事もあります!こちらをご覧ください!↓

https://nago-east.com/nature/173

わんさか大浦パークHP

https://wansaka-o.jp

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詳細はHPにてご確認ください。

文:服部あや乃